NEW YORKER

Special Contents

Autumn / Winter 2018

Kayoko Murayama

VOL.06

My Dearest Coat」それは、
密やかな贅沢から見つける一着

スタイリスト 村山 佳世子さん インタビュー

何度も袖を通して、くらべて、自分の好きが詰まった一着を選ぶ。そんな贅沢が叶うコートが、2018AW、ニューヨーカーに登場。スタイリスト村山氏をゲストに迎えたスペシャルコンテンツ第3弾! インタビュー中、実際に着用を何度も繰り返した村山氏が選んだ一着とは?

VOL.06

自分の好きを組み合わせる、ファブリックオーダーという特別感

── 2018-19AWに登場するコートが到着しました!

村山
一生もののコートになるべく、長く着られるシンプルなデザインが魅力的ですね。襟が付いている、付いていないが選べるのも女性にはうれしいポイントだと思います。

── このコート、実はファブリックオーダーで自分の好きな型と生地が選べるそうなんです。

村山
レディスでファブリックオーダーできるって珍しいですよね? メンズだと当然のように聞こえますけれど、レディスではなかなかない。だから「ファブリックオーダーできる」と聞くだけで、とても特別な感じがします。ステンカラーコートも、ノーカラーコートもどちらもお仕事で使えると思いますが、個人的に惹かれるのは襟のあるステンカラータイプ。ステンカラーって女性らしくも着こなせますが、一方でシャープな印象でメンズライクにも着こなせるので、一着持っておくと幅広く活躍してくれて非常に便利ですよね。

── コートを手にいれる瞬間って、ワクワクしちゃいますよね。

村山
コートってかなり大きなお買い物ですからね! 毎年立て続けに買うことってなかなかないと思いますし。そう考えると、自分の好きなデザイン、自分の好きな素材・色柄を選べるというのは最高の贅沢ですよ。

── 今回の色・柄をご覧になってどうですか?

村山
ミックス調というか、どこか素朴な織り柄を感じさせるもの、今年けっこう多く見ますね。このコートの中にもあるシャギーとかツイードとか、ややふっくらとしていて、あたたかみのある質感が人気を集めると思います。無地の黒やネイビーではなく、ブラウンやキャメルなどのやわらかいカラーも今年っぽいですね。同じ型でも、素材や色が変わるだけで全然違う表情になりますね。

── 確かに。

村山
コートってなかなか冒険できないアイテムだと思うんです。長く着続けるためにも、シルエットはなるべくベーシックなものにしておきたい。でも、ただベーシックだけで選ぶのはつまらない…そう考えると、このコートみたいに自分らしさで型や素材、色が選べるというのはうれしいですね。ファブリックオーダーならではの密やかな贅沢は、男性だけじゃなく、女性も楽しみたいですものね。ちょっとこのコート、着てみていいですか?

(ここから村山さんのフィッティングタイムがスタートしました!)

何度も着て、何度もくらべて、一着を選ぶ

村山
このノーカラーコートだったら、ストールをぐるぐるっと巻きたいな。タートルネックニットもかわいいですよね。インナーにタートルネックニット1枚だけというすごくシンプルなスタイリングでも、コートを羽織るだけで表情が締まるから十分な気がします。

── 丈選びのポイントは?

村山
身長などにもよると思いますが、今って丈感はバランス次第というか、けっこう何でもありになっているので。昔はコートの下からスカートがずるっと見えるのは避けたいというシーズンもありましたが、今はずるっと長く見えていてもいいですし、今日私が履いているような太めのパンツなんかが裾から覗いていてもおかしくないですよね。

── はい。とても今っぽいシルエットに映ります。

村山
ブラウンのツイード素材のステンカラーコートも着てみたい! このちょっとおじいちゃんぽい素材感がいいですね。ボタンを留めて着ると…一気にクラシックになる。ボタンを開けて着ると…ほら、また表情が違って見えますよね。

── 村山さんの雰囲気が、ガラっと変わりました。

村山
本当にそうですよね。次はノーカラーを着てみましょう! …あぁ、これは首筋が見えて女性っぽくなりますね。このコートには、パンツを履いてもいいし、タイトスカートなんかも似合いそう。

── 村山さん、なんだか楽しそう!(笑)

村山
お店でもこうやって実際に着用して、比較しながら選べるということですよね? これは本当に楽しい! グレーのシャギー素材のステンカラーにしよう、次は同色のノーカラーに、今度は色をブラウンに変えてみよう…なんてフィッティングしている中で、その人に合う一着が見つかるんですね。

私にとって愛着のある一着とは…

── では最後に、村山さんが実際に選ぶとしたらどのコートですか?

村山
私は今、ブラウンな気分なのと、ちょっとおじいちゃんっぽいスタイルが好きなので、このブラウンのツイード素材のステンカラーコートかな。襟を立てて着ても素敵じゃないですか?

── 襟を立てるとハンサムなイメージになりますね。

村山
台襟が付いているというのも大きなポイントですね。普通のステンカラーコートの襟はフラットなものが多いので。これなら襟を立てやすい。

── メンズライクで決まってます!このコートは「My Dearest Coat」(愛着のある一着)という名前が付いています。村山さんにとって、愛着のある一着とは?

村山
難しいですね…。飽きることなく、ずっと着られる服ということですかね。そういう意味では、私自身マニッシュなものが好きなので、シンプルで少しメンズライクなアイテムが自分にとっての「愛着のある一着」=「マイスタンダード」になるんだと思います。このインタビューの最初に「長く着られるシンプルなデザインが魅力」といいましたが、まさにそれで。ですから今回着させていただいたシングルコートたちも、すでに私にとっての愛着のある一着になっちゃってます(笑)。

Profile

Kayoko Murayama

村山 佳世子(むらやま かよこ)さん

高校卒業後、文化服装学院スタイリスト科に入学。卒業後、アシスタントを経て、1992年に独立。『eclat』『Marisol』などのファッション誌を中心に活躍中。旬のエッセンスをさりげなくきかせながら、女性らしい上品さとやわらかさが加わった独特のスタイリングで感度の高い女性たちから常に注目を集める。