NEW YORKER

Special Contents

Spring / Summer 2020

PATTERN ORDER

VOL.12

ニューヨーカーのパターンオーダー。
自分のためだけに作られた
「特別な一着」と出会う

INTERVIEW & REPORT
スタイリスト 村山佳世子さん
ニューヨーカー パターンオーダートップスペシャリスト 倉持直子

スタイリスト・村山氏が、あたらしい春のジャケットを求め、ニューヨーカーへ。「パターンオーダー」のコンシェルジュともいえるトップスペシャリストとともに、オリジナルのジャケットを作り上げる。「パターンオーダー」の魅力、そしておすすめのスタイリング提案まで。

VOL.12

既製服の延長線上に、パターンオーダーがある

── トップスペシャリストの倉持さんに、ニューヨーカーのパターンオーダーの魅力についてお伺いします。

倉持
いちばんの魅力は「特別な一着」であるということ。ニューヨーカーのパターンオーダーでは、既製スーツの中からモデルをお選びいただき、さらに生地やディテールからお好みのものをお選びいただいてオリジナルの一着が完成いたします。お客様のサイズに合わせてパターンを補正してお作りしていきますので、まさにニューヨーカーのパターンオーダーのコンセプトである“Just your style”な一着に出会っていただけます。

── 女性が、パターンオーダーで服を作るというのは珍しいのでは。

倉持
確かに紳士服と比べ、パターンオーダーで服を仕立てるということは、女性にとってまだ馴染み深いものではないですね。接客させていただく中でも、最初からパターンオーダーでスーツを作りに来ましたというお客様は少ないです。たとえば普通に既製服をお選びになっている過程で、「これが違う生地だったらよかったのに」というお声や、サイズ感のお悩みを伺っているうちにパターンオーダーについてご説明すると「せっかくだから好みの生地で」とお作りになるお客様が多いです。既製服の延長線上にパターンオーダーがあると考えており、既製服を選ぶ感覚で、よりお客様のお好みに近づけ、心地よさを実感しながら、楽しく生地やボタン、ディテール選びをしていただきたいと思っています。

── 今回は、スタイリストの村山さんにパターンオーダーを体験していただきます。村山さん、なんとなくイメージはできていますか?

村山
ニューヨーカーさんとは撮影などのお仕事で随分長くお付き合いをさせていただいておりますが、自分が実際にパターンオーダーを利用させていただくのは初めてですので、とても楽しみにしてきました。まずはじめに、店内にある既製品やパターンオーダーのゲージの中からモデルを選ぶということでしたので、きちんと感のあるジャケットと、少しカジュアルに着られるジャケットの2着に決めました。
倉持
2着ともブレザータイプで、一つはシングル、もう一つはダブルですね。では、ここから生地やディテールをお選びいただきます。
村山
生地も、裏地も、ボタンもとにかくバリエーションが多いのに驚きました。これらの中から自分で選べるというのはワクワクします。生地はどれくらいあるのですか?
倉持
生地は常時50種類以上あります。ニューヨーカーのパターンオーダーの特長は、型も生地もとにかく豊富なこと。シーズンごとに生地が入れ替わり、さらに限定生地や裏地が数種類加わることもあります。ただ数が多いだけではなく、もちろん質にも自信をもっています。仕上がった商品を手にされたお客様から、仕立て映えがするというお声もよくいただきます。

── これだけバリエーションがあると、迷ってしまいそうですね。

倉持
生地だけを見てもイメージがわかないというお客様もいらっしゃいます。実際に店内で既製服をご覧になりながらご案内できるので、迷われた際はお手持ちのお洋服に近いアイテムを合わせてジャケットの型や生地を選ぶことができます。「この生地ならこういったインナーを合わせても素敵ですね」など、一緒に店内をまわりながらコーディネートを含めたご提案をさせていただくと、お客様もイメージしやすいようです。
村山
確かにこうやって店内をまわってほかのアイテムを見ながら、イメージに近づけていくとスムーズかもしれませんね。私自身、仕事柄あまりジャケットを着用する機会が少ないので、倉持さんのようなトップスペシャリストの方に裏地の組み合わせ方やサイズ感などをご相談できるのは助かります。
倉持
たとえばジャケットをお作りになる際は、合わせるボトムによっても着丈のバランスなどが変わってきます。お手持ちのお洋服はどんなものか、着用シーンはビジネスなのかオフなのか、どんな風にお召しになりたいのか。お話しを伺いながらご提案させていただいております。

一着作ると、次の一着へとどんどんイメージが膨らんでくる

── (オーダー後)村山さんのジャケット2着も、倉持さんに相談されながら裏地、ボタン、パイピングまで決まったようです。

村山
シングルはきれいめに着たいので、表生地はチェルッティのブラック&グレーのシャンブレーチェックのものを選びました。裏地はニューヨーカークラブストライプに。実はこのストライプ生地に一目惚れしてしまったので、シングルは裏地が先に決まり、このストライプに合わせて表生地を決めました。
倉持
裏地からお選びいただくパターンは初めてでした。ニューヨーカークラブストライプはトラッドの雰囲気もあって、とても人気のある裏地です。背抜きパイピングも、コードパイピングも裏地と同じニューヨーカークラブストライプをお選びいただいたことで、より表生地の美しさが際立ってくると思います。ダブルの方は、表生地にグレンチェックを選ばれましたね。
村山
カジュアルな雰囲気で着ることを想定しました。裏地は、グレンチェックに使われているネイビーカラーに合わせて明るいネイビーに。パイピングは、きれいなパープルにさせていただきました。ボタンはシルバーにして軽やかな印象に。
倉持
パイピングもボタンも馴染みがよく、上品なアクセントにもなっていて素敵な組み合わせだと思います。

── 最後にサイズ調整もされていましたね。

村山
決まったサイズの中から選ぶ既製服に比べ、実際に色々な型のジャケットを着用してみると少し背中をつまんでいただくだけで、瞬時に好みのシルエットになったり、肩の入り方や、袖の長さが微妙に違うんですよね。ダブルジャケットに関しては、倉持さんのご提案で11号の身幅を2cmほど詰めることで、自分が求めるシルエットにしていただきました。生地選びから採寸まで、倉持さんが最初におっしゃっていた「特別な一着」が作り上げられていくことを体感できて楽しかったです。
倉持
最初に型を選んでいただいてもその後、生地を選んだり、採寸したりする段階で似合う型が多少変わってくることもあります。お客様のご要望にそってご案内することが一番大切なことですが、せっかくパターンオーダーでお作りするのですから、お客様に喜んでいただけるように一緒にご提案できたらいいなと思っています。一着お作りいただくと、次に作りたい型やデザイン仕様のイメージがどんどん膨らんでくるので、ぜひその魅力を体験していただきたいです。

(パターンオーダーから3週間後)
自分だけのために作った、世界に一つだけの一着

── ジャケット2着が完成しました。袖を通された印象は。

村山
シングルもダブルも、サイズ感はきっちり見ていただいたのでぴったりの着心地です。両ジャケットとも9号か11号かで何度も着比べて、倉持さんにもご相談して、最終的に11号を選びましたが、やはりゆったりとした着用感が心地いいです。袖が長めなのもうれしい。そして、この一目惚れしたストライプの裏地がやっぱり素敵です。袖を折り返し、裏地を見せて着たいです。オーダー時にはシングルはきれいめに、ダブルはカジュアルめに、といったイメージでチョイスしましたが、こうやって仕上がったものを着てみると、それぞれどちらのイメージでも着られそうです。たとえばシングルの方もデニムパンツなどと合わせても素敵です。

── ダブルに施されたパープルのパイピングもきれいですね。

村山
いつもですと同色に偏りがちで、差し色使いをする機会が少ないのですが、倉持さんのご提案もあってさりげなく色をきかせてみたらとてもかわいくて気に入っています。

── 完成したジャケットを主役にした、村山さん流のスタイリングを教えてください。

村山
シングルジャケットは、シルエットも生地感もレディライクな印象なので、上品なケーブルニットをインナーに、ボトムにはミモレ丈のスカートを。フェミニンになりすぎないよう、スカートはチノ素材のものを選んでみました。ドット柄のスカーフで華やかさを添えています。ダブルジャケットは、ネイビーのニットと太めのパンツを合わせてメンズっぽいマリンスタイルで着こなしたいですね。ニューヨーカーさんらしく、チェック柄の生地やシルバーボタン使いでさりげなくトラッドなニュアンスを感じさせるのもポイントです。ちょっとカジュアルな印象で着たいので、足もとには白のスニーカーを合わせてみてはいかがでしょう。
  • ダブルブレストブレザー ¥66,000(パターンオーダー参考価格)
  • ニット ¥23,000(TRUE NAVY)
  • パンツ ¥18,000
  • ネックレス ¥9,500
  • シューズ ¥39,000(SIPULI)
  • シングルジャケット ¥62,000(パターンオーダー参考価格)
  • ニット ¥14,000
  • スカート ¥43,000(TRUE NAVY)
  • スカーフ ¥8,000
  • シューズ ¥18,000

── 今回、パターンオーダーでジャケットを作られていかがでしたか。

村山
生地やディテールのバリエーションがとても多いので悩んでしまいましたが、ジャケットをオーダーするからにはきちんとしたものを選びたい。おそらく女性は、総裏・背抜き、パイピングなどジャケットやスーツについて意外と知らないことが多いと思いますので、倉持さんのようなプロの方からちょっとしたアドバイスをいただけるのは安心です。トラッドスタイルなど着こなしのルールがあるメンズファッションに比べ、レディスファッションはもっと感覚的というか、正解がない。その分自由に好きなように着こなしを楽しめばよいのですが、できればさらにかわいく、格好よく着こなせた方が楽しいですよね。サイズもシルエットも、着心地も、全て自分にしっくりフィットする一着というのは持っておくべきアイテムだなと改めて感じました。流行に左右されず、ずっと着られる服。自分だけのために作った、世界に一つだけの一着だからこそ、ずっと愛せて、ずっと着ていたい大切なものになるはず。今回、そんなジャケットと巡り会えて本当に幸せです。
ニューヨーカーのトップスペシャリストとは
ニューヨーカーでは、「パターンオーダーに特化したコンシェルジュ」としてパターンオーダーマイスター制度を設けています。オーダーに関する知識、技術は兼ね備えることはもちろん、さらに商品を着用するオケージョンや着こなし、基本となる「マナー」「ルール」を理解し、お客様のニーズに応えることができる人材を育てることを目的としています。その中で資格を与えられた者がトップスペシャリストとして認定されます。今回村山さんのパターンオーダーを担当した倉持直子は、現在5名いるウィメンズトップスペシャリストの1人です。

Profile

Kayoko Murayama

村山 佳世子(むらやま かよこ)さん

高校卒業後、文化服装学院スタイリスト科に入学。卒業後、アシスタントを経て、1992年に独立。『eclat』『Marisol』などのファッション誌を中心に活躍中。旬のエッセンスをさりげなくきかせながら、女性らしい上品さとやわらかさが加わった独特のスタイリングで感度の高い女性たちから常に注目を集める。


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